接骨院がホームページを持つ意味 ― 「近くの接骨院」と検索される時代に、院長先生が知っておきたいこと
「うちは地域の患者さんに支えられているから、ホームページはなくても大丈夫」。
接骨院・整骨院の先生方とお話ししていると、よくこの言葉を耳にします。実際、口コミと紹介だけで何十年も続いている院はたくさんあります。それは先生の腕と人柄が信頼されている何よりの証だと思います。
ただ、ちょっとだけ想像してみてください。ご近所の方が「あそこの接骨院、よかったよ」と友人にすすめたとき、その友人が最初にすることは何でしょうか。たぶん、スマホで院の名前を検索するはずです。
このコラムでは、接骨院向けのレセプトソフトとホームページ制作を手がけているコムネットの立場から、公的なデータと国のルールをもとに「接骨院がホームページを持つ意味」を一緒に考えてみたいと思います。
口コミの「その先」にあるのは、スマホです
まずは数字を見てみましょう。総務省の「令和6年通信利用動向調査」によると、個人のインターネット利用率は85.6%、スマートフォンの保有率は80.5%です。いまや、何かを調べるときに「まずスマホ」は当たり前の行動になりました。
医療機関の選び方については、厚生労働省の「令和5年受療行動調査」に興味深いデータがあります。病院の外来患者さんに、ふだん医療機関にかかるときの情報の入手先を聞いたところ(複数回答)、次の結果でした。
| 情報の入手先 | 割合 |
|---|---|
| 家族・友人・知人の口コミ | 68.4% |
| 医療機関が発信するインターネットの情報 | 28.8% |
| 医療機関の相談窓口 | 14.6% |
| 医療機関・行政機関以外が発信するインターネット情報(SNS・掲示板・ブログ含む) | 3.9% |
やはり一番は「口コミ」です。先生方の実感どおりですね。その一方で、約3人に1人は「医療機関自身が発信するネットの情報」も参考にしています。口コミで名前を知り、ホームページで確かめる。この2つは対立するものではなく、セットで働いているのです。
せっかくいただいた口コミも、検索した先に何もなければ「ちょっと不安だな」で止まってしまうかもしれません。ホームページは、口コミを「来院」につなぐ最後のひと押しになります。
「地図アプリやポータルサイトに載っているから十分」?
地図アプリや接骨院の検索サイトは、「院を見つけてもらう入口」としてとても便利です。ぜひ活用していただきたいと思います。
ただ、そこにはどうしても限界があります。
- 載せられる情報が限られる:住所や営業時間は伝わっても、先生の人柄や施術への想い、院内の雰囲気までは伝えきれません。
- すぐ隣に他の院が並ぶ:検索結果や一覧ページでは、近くの院と横並びで比べられます。
- 有料掲載は「広告」のルールがかかる:後で詳しく触れますが、国のガイドラインでは、検索サイトのスポンサー表示や、費用を支払っての上位表示、口コミサイトへの有料掲載などは「広告」として扱われます。
地図やポータルは「看板」、ホームページは「院の玄関」。そんなイメージで使い分けると、それぞれの良さが生きてきます。
2025年の「広告ガイドライン」で、ホームページの役割はもっと大きくなりました
ご存じのとおり、接骨院の看板やチラシには、柔道整復師法による広告の制限があります。そして令和7年(2025年)2月18日、厚生労働省から「あはき・柔整広告ガイドライン」(医政発0218第1号)が通知されました。これまで曖昧だったルールが、はっきり文章で示されたのです。
ホームページに関わるポイントは、大きく3つです。
- 看板やチラシに書けることは限られている。施術所の名称、電話番号、所在地、施術日や時間、予約制、出張施術、駐車場など、広告できる事項が決まっています。
- 院のホームページは、原則として広告規制の対象外。ガイドラインには「原則としてインターネット上のウェブサイト等は、あはき師法及び柔整師法の広告規制の対象とはならない」と明記されています。
- ただし「何でも書いていい」わけではない。虚偽の内容、他院との比較で優れていると示す表現、誇大な表現、根拠の乏しい情報で不安をあおる表現などは、ウェブサイトでも掲載すべきでないとされています。自費施術については、施術内容や通常必要な費用、主なリスクなどの情報を提供することも求められています。
つまり、看板では伝えきれない「先生のこと」「施術のこと」「費用のこと」を、正確に、誠実に伝えられる場所。それがいまの接骨院のホームページです。逆に、昔作ったままのページに、いまのルールに合わない表現が残っていないかも、一度確認しておきたいところです。
※広告に関する判断は、最終的には各自治体の保健所等が行います。具体的な表現に迷ったときは、管轄の保健所や所属団体にご確認ください。
接骨院のホームページが果たす、4つの役割
全国の柔道整復の施術所は50,924か所(令和6年末、厚生労働省「令和6年衛生行政報告例」)。これだけ多くの院があるなかで、「この先生に託したい」と思ってもらうために、ホームページは次のような役割を果たします。
- 初めての不安を、安心に変える。院内の写真、先生の顔とごあいさつ、初めての方の流れ。これだけでも「行ってみようかな」のハードルはぐっと下がります。
- 自費メニューを、正しくていねいに伝える。施術内容、費用の目安、注意点。ガイドラインが求める情報をきちんと載せることが、そのまま患者さんの信頼につながります。
- 電話対応の手間を減らす。受付時間、お休みの日、駐車場、予約方法。よくある質問にホームページが答えてくれれば、施術中に電話で手を止める回数も減らせます。
- 一緒に働く仲間と出会う。求人に応募する方も、必ず院のホームページを見ます。院の方針や雰囲気が伝わるページは、「ここで働きたい」を後押しします。
どれも特別なことではありません。先生が受付や施術室で毎日お話ししていることを、ネットの上でも伝えられるようにする。それだけです。
コムネットにできること
コムネットは、柔道整復師向けレセプトシステム「レセジョ~ズ」の開発と、接骨院・整骨院のホームページ制作・保守を手がけています。接骨院の日々の業務をそばで見てきた立場だからこそ、「おしゃれなだけ」ではない、院の実情に合ったホームページをご提案できます。
- 広告ガイドラインを踏まえた文章づくり:誇大や比較にならないように気を配りながら、先生の想いが伝わる文章を一緒に考えます。
- スマホで見やすく、探しやすく:電話・地図・受付時間にすぐたどり着ける構成にします。
- 作った後も安心:受付時間の変更やお知らせの更新など、忙しい先生に代わって更新をお手伝いします。
- 今あるホームページの見直しも:「作ったまま何年もそのまま」「広告ガイドラインに合っているか不安」という院も、お気軽にご相談ください。
「うちの場合は何から始めたらいい?」というご質問だけでも大歓迎です。先生の院の「玄関」づくりを、コムネットにお手伝いさせてください。
出典
- 総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」(令和7年5月30日公表)
- 厚生労働省「令和5年受療行動調査(概数)の概況・結果の概要」
- 厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(令和7年7月29日公表)
- 厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン(医政発0218第1号)」(令和7年2月18日)
- ガイドライン全文(全国柔整鍼灸協同組合掲載PDF)
- 兵庫県「あはき・柔整広告ガイドラインが策定されました」