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広告ルール・制度

広告ガイドラインで変わったこと ― 接骨院のホームページで気をつけたい表現

「この書き方、大丈夫かな?」

ホームページやチラシの文章を考えるとき、そんな風に迷ったことはありませんか。接骨院の広告には法律の制限があるものの、これまでは「どこまでがよくて、どこからがダメか」が分かりにくい状態が続いていました。

そこで令和7年(2025年)2月18日、厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」(医政発0218第1号)を通知しました。広告できること、できないことが、具体例つきで示されています。

前回のコラム「接骨院がホームページを持つ意味」でも少し触れましたが、今回はもう一歩踏み込んで、ホームページや看板で実際に気をつけたい表現を、ガイドラインの原文にそって整理します。

そもそも、何が「広告」になるの?

ガイドラインでは、次の3つをすべて満たすものを「広告」として扱います。

  1. 誘引性:利用者を施術所に呼び込もうとする意図がある
  2. 特定性:施術者の名前や施術所の名称が分かる
  3. 認知性:一般の人が目にできる状態にある

看板、チラシ、電柱広告などは、まさにこの「広告」です。一方で、院のホームページについては「原則としてインターネット上のウェブサイト等は、あはき師法及び柔整師法の広告規制の対象とはならない」とされています。3つのうち「認知性」との関係で、このように整理されています。

ただし、ネット上のものでも、次のようなものは「広告」として扱われます。

  • バナー広告や、検索サイトのスポンサー表示
  • 費用を支払っての上位表示や、口コミサイト・ポータルサイトへの有料掲載
  • 公開範囲を限定していないSNSの投稿で、上の3つを満たすもの

なお、患者さんが自分から書いた口コミは、通常は広告には当たりません。しかし、院が依頼して書いてもらったものや、謝礼を渡して書いてもらったものは広告として扱われ、体験談は広告できる事項ではないため掲載できない、とされています。「口コミを書いたら割引」のような取り組みは注意が必要です。

ホームページでも「載せるべきでない」とされた表現

「ホームページは規制の対象外なら、何を書いてもいいの?」というと、そうではありません。ガイドラインは、ウェブサイトの内容の適切な在り方も定めていて、次のような内容は掲載すべきでないとしています。

ガイドラインの項目気をつけたい表現の例(コムネットによる例示)
虚偽、または客観的に証明できないもの「必ず治ります」「改善率99%」(根拠を示せない数字)
他との比較で自分の優良性を示すもの「地域で一番の技術」「他院で治らなかった方も」
誇大なもの、都合のよい情報の過度な強調「奥義」「奇跡の施術」、良い結果だけを並べる見せ方
早急な受療を過度にあおる表現、費用の過度な強調「今すぐ来ないと手遅れ」「今だけ半額」を大きく打ち出す
根拠の乏しい情報で不安を過度にあおり、受療を不当に誘導するもの「放っておくと一生歩けなくなる」
公序良俗に反するもの、品位を損ねるもの、他の法令で禁止されるもの―

右の列の表現は、ガイドラインの項目に当てはまりやすい例としてコムネットが挙げたものです。実際に当てはまるかどうかは、文脈や根拠の有無によって判断されます。

ちょっとしたところでは、電話番号の語呂合わせにも注意が必要です。ガイドラインでは「1374(痛みなし)」「3776(みな治る)」のように、効果を暗示するルビは広告できない例として挙げられています。

自費メニューは「伝えるべき情報」が決まっている

ガイドラインは「書いてはいけないこと」だけでなく、ウェブサイトに「載せるべきこと」も示しています。問い合わせ先をはっきり示すことに加えて、保険外の自費施術については、内容・費用・リスクの情報を提供するよう求めています。

  • 問い合わせ先:電話番号など、利用者が問い合わせできる連絡先
  • 施術の内容と、通常必要とされる費用:どんな施術で、何回くらいで、だいたいいくらかかるのか
  • 主なリスクや副作用:施術後に起こりうること、受けられない方など

「費用やリスクの話を載せたら、来なくなるのでは」と心配になるかもしれません。でも患者さんの立場では、「行ってみたらいくらかかるか分からない」ことこそがいちばんの不安です。料金と注意点を正直に書いてある院は、それだけで「誠実そうだ」という印象につながります。

看板・チラシ・院名でよくある「うっかり」

看板やチラシは、法律上の「広告」になります。書けるのは、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日や施術時間、「ほねつぎ(又は接骨)」、予約制、駐車場など、決められた事項だけです。ガイドラインでよく話題になるのは、次の3つです。

ポイント広告できない例ガイドラインの考え方
「診」の字診療時間、診察日、休診日、初診、往診 など医療と紛らわしく、本来医師の診療が必要な人が受診の機会を逃すおそれがある
保険の表記「各種保険取扱い」「労災保険取扱い」「自賠責保険取扱い」「交通事故取扱い」広告できるのは「医療保険療養費支給申請ができる旨」。脱臼・骨折の施術には医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る
院の名称「○○鍼灸接骨院」「○○マッサージ接骨院」など、異なる業態を混ぜた名称併設している場合は「○○接骨院・鍼灸院」のような併記が例示されている

「診」の字は、「受付時間」「施術時間」「お休み」などに置き換えると、意味を変えずに対応できます。ホームページも、看板と表記をそろえておくと安心です。

院の名称や看板を変えるのは大きな話なので、気になる点がある場合は、まず管轄の保健所に相談してください。

今日からできる、ホームページのセルフチェック

ご自身の院のホームページを、一度この観点で見直してみてください。

  • 「診療時間」「休診日」など、「診」の字を使っていないか
  • 「必ず治る」「地域一番」など、証明できない表現や他院との比較がないか
  • 「放っておくと大変なことに」のように、不安をあおる文章になっていないか
  • 割引や「今だけ」が必要以上に目立っていないか
  • 自費メニューに、内容・費用の目安・注意点(リスク)が書いてあるか
  • 電話番号などの問い合わせ先が、すぐ分かる場所にあるか
  • 「患者様の声」を、院からの依頼や謝礼と引き換えで集めていないか
  • 有料で掲載しているポータルサイトや検索広告の文章が、広告のルールに合っているか

大切なのは、「規制だから何も書けない」と考えるのではなく、「正確なことを、分かりやすく書く」ことです。先生の施術への想いや、院の雰囲気、ていねいな説明は、誇張しなくても十分に伝わります。

「うちのホームページ、大丈夫?」と思ったら

コムネットは、柔道整復師向けレセプトシステム「レセジョ~ズ」と、接骨院・整骨院のホームページ制作・保守を手がけています。今あるホームページの表現の見直しや、自費メニューの料金・注意点のページづくりもお手伝いできます。「この一文だけ気になる」というご相談でも、お気軽にどうぞ。

※このコラムは、ガイドラインの内容を分かりやすく紹介するものです。個別の表現が当てはまるかどうかの最終的な判断は、管轄の保健所等が行います。

出典

執筆:有限会社コムネット(接骨院・整骨院向けレセプトソフト「レセジョ~ズ」開発元/ホームページ制作)

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