自費メニューのページ、何をどう書く? ― 料金・回数・注意点の書き方の例
「自費メニューのページ、何を書けばいいんだろう」
前回のコラム「広告ガイドラインで変わったこと」では、2025年2月に厚生労働省が通知した「あはき・柔整広告ガイドライン」で、ホームページに自費施術の内容・費用・リスクを載せることが求められている、とお伝えしました。
今回はその続きとして、自費メニューのページに「何を」「どう」書けばよいかを、具体的な書き方の例と一緒にご紹介します。
まず「保険でできること」と「自費」の線引きをはっきりと
自費メニューのページを作る前に、保険の範囲を正しく書いておくことが大切です。全国健康保険協会(協会けんぽ)は、柔道整復師の施術で健康保険が使える場合と使えない場合を、次のように案内しています。
| 健康保険が使える場合 | 健康保険が使えない場合(主な例) |
|---|---|
| 急性などの外傷性の打撲・捻挫・挫傷(肉離れなど) 骨折・脱臼(応急手当を除き、医師の同意が必要) | 単なる肩こり、筋肉疲労 慰安目的のマッサージ代わりの利用 病気(神経痛・リウマチ・五十肩・関節炎・ヘルニアなど)からくる痛み・こり 仕事中や通勤途上のけが(労災保険の対象)など |
患者さんの多くは、この違いをよく知りません。「この症状は保険の対象になりません。そのため自費のメニューをご用意しています」と順序立てて説明すると、自費メニューが「売り込み」ではなく「選択肢」として伝わります。
自費メニューのページに載せたい5つの項目
ガイドラインが求める内容をもとに、患者さんが知りたいことを加えて整理すると、次の5つになります。
| 項目 | 書く内容 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 1. 施術の内容 | どんな施術を、どのように行うか | 専門用語を避け、流れを順番に書く |
| 2. 費用 | 1回あたりの料金(税込)、初回の料金、回数券があればその内容 | 「〜円から」だけでなく、よくある組み合わせの目安も書く |
| 3. 時間と回数の目安 | 1回の所要時間、通う間隔のめやす | 「個人差があります」と添えて、断定しない |
| 4. 注意点・リスク | 施術後に起こりうること、受けられない方 | 例:施術後にだるさが出ることがある、妊娠中の方は事前に相談 など |
| 5. 問い合わせ先 | 電話番号、予約方法 | ページの最後に必ず置く |
ガイドラインでは、問い合わせ先を明示すること、自費施術について施術の内容と通常必要とされる費用、主なリスクや副作用の情報を提供することが挙げられています。上の表の1・2・4・5がそれに当たります。
書き方の例(ひな形)
たとえば、骨盤まわりの自費メニューを紹介する場合は、次のような形が考えられます。※内容・料金は説明のための架空の例です。
骨盤まわりの調整(自費施術)
座りっぱなしのお仕事などで、腰まわりの重さが気になる方に向けたメニューです。姿勢を確認したうえで、手技で骨盤まわりの筋肉をほぐしていきます。
料金:1回 4,400円(税込)/所要時間:約30分
通う目安:はじめは週1回程度。感じ方には個人差があります。ご注意:施術後に一時的にだるさを感じることがあります。妊娠中の方、持病で通院中の方は、事前にご相談ください。
ご予約・お問い合わせ:お電話(受付時間内)またはWEB予約から
ポイントは、「必ず良くなる」「1回で効果を実感」のような言い切りをせず、事実と目安を落ち着いて書くことです。それだけで、ページ全体の信頼感がぐっと上がります。
料金表示で気をつけたいこと
料金の書き方は、柔道整復師法の広告ガイドラインだけでなく、景品表示法にも関わります。
- 割引を大きく目立たせすぎない:ガイドラインは、ウェブサイトに載せるべきでないものとして「費用の過度な強調」を挙げています。
- 「通常価格」と比べるなら、実際の価格で:消費者庁は、二重価格表示で比較に使う価格は、最近相当期間にわたって実際に販売されていた価格であることなどを求めています。実際には使われていない「通常価格」と比べて「半額」とするような表示は、不当表示になるおそれがあります。
- 税込で、分かりやすく:回数券がある場合は、総額と1回あたりの金額の両方を書くと親切です。
保険の施術と自費の施術を混同させない
一つのページの中で、保険の施術と自費の施術が混ざって書かれていると、患者さんは「これは保険で受けられるの?」と迷ってしまいます。保険の説明と自費メニューはページや見出しを分けて、自費のメニュー名には「(自費施術)」と添えておくと誤解を防げます。
また、看板やチラシでは「各種保険取扱い」のような書き方は広告できないとされています。ホームページでも、保険でできることを正確に書くことが、結果として自費メニューへの信頼にもつながります。
自費メニューのページづくり、コムネットがお手伝いします
コムネットは、柔道整復師向けレセプトシステム「レセジョ~ズ」と、接骨院・整骨院のホームページ制作・保守を手がけています。保険と自費の違いが伝わるページ構成づくりや、料金・注意点の文章の整理もお手伝いできます。「今あるページを、ガイドラインに合わせて見直したい」というご相談もお気軽にどうぞ。
※このコラムは一般的な情報をまとめたものです。個別の表現や料金表示が適切かどうかの判断は、管轄の保健所や消費生活の窓口等にご確認ください。
出典
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「柔道整復師(整骨院・接骨院)のかかり方」
- 厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン(医政発0218第1号)」(令和7年2月18日)
- ガイドライン全文(全国柔整鍼灸協同組合掲載PDF)
- 消費者庁「二重価格表示」